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親と子どものためのADHDナビ

ADHDを学ぶ

ADHDについて

しつけや努力不足が原因ではありません

ADHDでは、脳の発達にかたよりがあることで、ドパミン(脳内の神経伝達物質)の作用が不足気味になっていると考えられています。ドパミンの作用が不足すると、物ごとを順序立てて行うことや優先順位をつけることができなかったり(実行機能の低下)、待つことができない(報酬系の低下)といった行動があらわれるといわれています。さらに、環境の要因なども複雑にからみあっていると考えられています。

「親のしつけのまずさ」や「本人の努力不足」などが原因として挙げられることがありますが、それは大きな誤解です。

早期からの適切なサポートが重要です

ADHDのお子さんは、学校生活において多くのつまずきを感じています。そして、結果的に次のような二次的な問題を抱えることがあり、セルフ・エスティーム*が低くなりやすいといわれています。

ADHDのお子さんが抱えやすい二次的な問題

  • 叱責や失敗が続くことで、自信がもてず劣等感を感じる。
  • 情緒面で不安定になる。
  • 怒りっぽくなり、反抗的な態度や攻撃的な行動をとる。
  • 社会的スキルが身につかず、周囲とトラブルをおこす。
  • 学校へ行くのを嫌がるようになる。
  • 学習に遅れがみられるようになる。

これらの問題が続きセルフ・エスティームが低下すると、問題解決への意欲やスキルが低下するため、成長過程に大きな影響を与えます。まずはADHDのお子さんに対する理解を深め、セルフ・エスティームを高めるサポートを心がけるようにしましょう。

セルフ・エスティームを高めるサポートのポイント

  • お子さんとの信頼関係を深める。
  • お子さんが感じているつまずきを正しく把握し、理解する。
  • お子さんの行動が意図的ではないことに理解を示す。
  • 優れた点や努力する姿勢に着目し、お子さんの自己肯定感を高める。

成長とともに、さまざまな問題が生じます

ADHDのお子さんは、適切な治療や周囲からのサポートによって対人関係能力や社会性を身につけていくことができるため、成長とともに日常生活における支障はほとんどなくなります。

しかし、周囲からADHDの特徴に気づかれず、サポートが得られないと、成人後も多くの困難に遭遇することがあります。お子さんの健やかな成長のために、まずは周囲の人々がその特徴に気づくことが求められます。なかでも「不注意」による行動(→4~6ページ参照)は気づかれにくく、二次的な問題に発展しやすいため、学童期での注意がとくに必要です。

成長過程でみられる主な特徴
~適切なサポートがなかった場合~

小学生【低学年】

  • 「他の子とは違うかもしれない」と周囲が感じはじめる。
  • 衝動的な行動が目立ち、友人とのトラブルがしばしば起きる。
  • 本人が気づかないうちに、友人に避けられたり、勉強嫌いになったりする。

小学生【高学年】

  • 友人とのトラブルが続き、いじめや不登校を引きおこすことがある。
  • うまくいかない自分を嫌悪し、悲観的になりやすい。
  • 授業についていけず、学習に遅れがみられるようになる。

中学生、高校生

  • 多動性は少しずつ落ちついてくるが、不注意さが目立つようになる。
  • セルフ・エスティームが低くなり、孤立しがちになる。

大学生

  • 1人暮らしの部屋を片づけられず、家事がきちんとできない。
  • 授業のカリキュラムを自己管理できず、留年につながることがある。

成人

  • 社会性が身につかず、頻繁に業務上のミスをしてしまうため、上司や同僚からの叱責が続く。
  • 社会への適応が難しくなると、精神的な症状があらわれたり、アルコール等への依存がみられる。

症状の改善には、周囲の理解と協力が欠かせません

ADHDのお子さんへの対処法は、「心理社会的アプローチ」と「薬による治療」の組み合わせが一般的で、その2つのバランスが重要といわれています。そのため、保護者、学校関係者をはじめとする周囲の人々全員が協力して取り組むことが大切です。

心理社会的アプローチ

お子さんが授業などに集中しやすい環境をととのえたり(環境調整)、ADHDへの対応を理解して適切な行動を教えることで、対人関係能力や社会性を身につけていく方法(行動療法)です。意識して訓練を重ねていきます。

+

薬による治療

脳内のドパミン濃度を上げることで、自らの行動をコントロールしやすくする治療です。症状が緩和されることで、社会に適応する力や心理社会的アプローチの効果が高まります。

お子さんの特徴にあわせて環境をととのえます

ADHDのお子さんは環境の影響を強く受けるため、気が散りやすい環境では特徴があらわれやすくなります。心理社会的アプローチの1つである「環境調整」によって、教室のつくりを見直したり、授業の進め方を工夫するなど、お子さんが集中しやすい環境をつくりましょう。

教室の環境調整や授業の進め方の工夫(例)

席は先生の近くに
➤ 外の様子が見える窓際や、人の動きが目に入る後方は避ける。
注意力をうばうものを取りのぞく
➤ 似た特性をもつ児童と席を離したり、掲示物を少なくするなどして、集中しやすい教室にする。
授業にカードや道具を取り入れる
➤ 傾聴型の授業スタイルを避け、視覚に訴えて、興味と関心をひきつける。
教える内容を小さなステップにわける
➤ ステップごとに理解度を把握し、授業についてこられるように配慮する。
黒板に対象ページや時間の流れを簡単に示す
➤ 集中が途切れてしまっても、課題に戻りやすくする。
教科ごとの約束や目標を決めて、シールやスタンプで評価する
➤ 努力には結果(報酬)が伴うことを実感させる。
宿題は、本人ができるレベルの内容と量を考慮する
➤ 同じような作業の繰り返しが苦手なので、量より質を重視する。
理解度や内容によっては、個別の授業で対応する
➤ 1対1で教えるとスムーズに理解できることがある。

保護者の良き相談相手になりましょう

ADHDのお子さんの健やかな成長を支援するためには、家庭や医療機関と教育機関との連携が不可欠です。学校での様子を保護者や医療関係者へフィードバックし、協力しあいながらサポートしていきましょう。

保護者がお子さんの特徴に気づいていなかったり、誰にも相談できず悩み苦しんでいる場合、早期からのサポートが遅れてしまう可能性があります。ときには学校関係者が保護者に、ADHDに関する資料やウェブサイトを紹介したり、医療機関での治療法を助言することも大切です。医療機関の受診に抵抗を感じる保護者でも、特別支援教育センター等へは相談しやすい場合もあるので、相談できる窓口はたくさんあることを伝えましょう。いつでも保護者の良き相談相手となれるよう、市区町村の担当部署や特別支援教育センター、児童相談所等と連絡を取りあい、情報の共有を図っておくと良いでしょう。

学校関係者には、保護者の心情を共感的に理解して対応することが望まれます。その際、担任の教師1人でお子さんの問題点を把握するのではなく、特別支援学級の担当やスクールカウンセラーなどを含め、学校全体でかかわっていくことが大切です。保護者と直接接する機会には、1対1ではなく、情報を共有している関係者が集まって話すと良いでしょう。また、保護者への日常のフィードバックには、連絡帳を活用すると相互の認識が深まります。

学校内にたくさんの協力者がいることで、お子さんはいきいきとした学校生活が送れるようになるため、保護者は安心することができます。ADHDに対して学校全体で取り組み、サポートを続けていきましょう。

連絡帳の活用ポイント

  • 根気よく継続することで、気づいていない保護者の気づきを促す。
  • 問題点だけに限らず、良い面も伝える。
  • 問題となった行動は、事実を正確に記載する。
  • 問題となった行動への教師の対応を一緒に記載する。
  • 保護者の心情を配慮し、家庭での過度な対処を求めない。

記載例

  • 鉛筆を忘れたため、学校の鉛筆を貸しました。
  • 休み時間が終わるチャイムが鳴っても教室に戻らず遊んでいましたが、気づいた教師が教室まで連れてきました。
  • 掃除の時間、お友達とけんかになりましたが、両者の事情を聞くことで解決できました。
  • 今日は、国語の時間に元気に手を挙げて発言できました。

大人のADHDを学べて、上手に付き合えるヒントもまとめています。

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