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親と子どものためのADHDナビ

体験談

多動と不注意が混在するタイプのADHD

思春期の反抗的な態度が改善され、治療と自分自身の将来に前向きになった Jくん(14歳)の場合

監修:長野県立こころの医療センター駒ケ根 副院長
原田 謙 先生

Jくんは小さい頃から多動が目立ち、小学校に入学してからもじっと座って授業を聞くことができませんでした。忘れ物や宿題忘れが多いうえ、1つのことに10分以上集中できず、うまの合わない先生に反発することもありました。
学校の先生の勧めで、小学校3年生のときに児童精神科を受診し、ADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)と診断されました。お薬による治療を始めてからは授業も座って聞けるようになり、集中時間も長くなっていました。

ところがJくんは、中学校にあがった頃から「自分は普通だから」と言って通院や薬を拒否するようになり、親への反抗的態度が目立つようになりました。
些細なことでかっとしてテーブルを蹴るなど乱暴な行動が増え、両親が何度注意しても聞きません。
学校でも乱暴な発言や行動が多く、先生が手を焼いているようです。

目に余る態度に、母親は児童精神科へ連れていきましたが、無理やり連れてこられたJくんは、診察室でもふてくされた様子です。
医師は、現在の問題は「多動」と「不注意」がもとになっており、薬で改善するかもしれないことを説明しました。それでもJくんはなかなか協力的な姿勢をみせません。

そこで、薬を飲んでいる時とやめてからの行動のチェックリストをお母さんにつけてもらったところ、明らかに薬を飲んでいるときのほうが落ち着いていることがわかりました。それは本人も実感していたようで、しぶしぶ通院することになり、薬物治療も続けることになりました。

医師は担任の先生へ、Jくんへの言葉がけを増やすことと、学校に居場所をつくることをお願いしました。
両親には、何かができれば褒めること、Jくんが必要な存在であり、「そのままのJくんでいいんだよ」というメッセージを送り続けるように伝えました。
また、J君が間違った行動をしたときも、説教や批判をせずに、正しい行動を教え、勇気づけるように促しました。

すると、徐々にJくんは生活上の達成感を話すようになりました。ときどきかっとなることはありますが、大きなトラブルはなくなり、診察室でもイライラせずに穏やかに話をすることができます。

「将来はコンピューターグラフィック関係の仕事もいいかなって考えているから、受験もがんばろうと思っているんだ。」と、自分の将来に対する前向きな言葉も口にするようになりました。

お母さんは、「私たちも頭ごなしに叱るようなところがあったのでよくなかったなと思います。学校の先生にも親身になっていただいて、いまは進路の相談にものっていただいているようで感謝しています。」と、引き続きJくんを暖かく見守っていこうと思っています。

原田先生からのコメント

思春期になると、どんなお子さんも多かれ少なかれ反抗的な態度を示すようになります。人にどう見られているかが気になり、人と自分の違いに敏感です。そのため、病院へ通わなければならない自分に自信がもてなかったり、反発を感じていることが考えられます。

思春期のお子さんには、大人が投げかける言葉より、本人に「実感」してもらうことが有効なことがあります。どうしてもお薬をいやがるときは、医師と相談し一旦やめさせてみるのも1つの方法です。自らの意思で通院やお薬を決めることは、治療に前向きになることにつながります。

ADHDをもつ思春期のお子さんへの対応のコツとして言えるのは、まずお子さんが自分に自信をもてるように、そのままを受け入れて認めてあげることです。
よくない行動をとったときも、先に責め立てずに、「なぜそうしたの?」と聞く余裕をもち、1人で考える時間と場所を与えるとよいでしょう。

通院や服薬は小学生の間に終了できることもありますが、継続が必要になる場合もあります。思春期はただでさえ悩みの多い時期ですので、治療を続けることが必要なお子さんの場合、特に周囲の人があたたかく見守り、支えることが大切です。
お子さんの気持ちに寄り添い、医師や学校の先生とともに、本人が治療に納得して向かえる環境を整えてあげてください。

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